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歯垢(プラーク)について

歯垢(プラーク)について

前回は唾液の「再石灰化」についてご案内しました。
今回は「歯垢とバイオフィルム」についてご案内します。

歯垢は皆さんもよく知っているプラークです。canstockphoto1830601302
プラークは細菌(主にミュータンス菌)と代謝物のかたまりで歯の表面に付着している、白色または黄白色のネバネバした物質です。
プラーク1mgに、なんと1億個以上の細菌が存在していると言われています。

細菌は歯に付着しても、多くの場合は唾液で流されてしまいます。しかし、唾液の流れが悪い場所に付着するとその場で増殖を始め、徐々にプラークを形成し始めます。
むし歯の原因菌であるミュータンス菌は、歯に付着しやすく、強固な歯垢、プラークを形成するため、早めに取り除くことが重要です。
歯垢は出来た直後は歯ブラシでこすれば取れます。しかし、歯みがきが不十分で磨き残しがあると、歯垢は次第に厚みを増しエナメル質の周囲で「バイオフィルム」と呼ばれる膜をつくり、その中で菌が増殖していきます。
唾液は、バイオフィルムに邪魔されてエナメル質に触れることができず、酸の中和作用や再石灰化の機能が発揮できなくなります。一方、歯垢内でつくられた酸は拡散しないので高い濃度でエナメル質を侵し続けます。
バイオフィルムができると細菌はグルカンをエサにして生き続けどんどん増殖します。バイオフィルム構造になった歯垢は細菌にとって非常に居心地のよい場所で、むし歯の発生や進行を強力に促す環境に発展しまいます。

ミュータンス菌がいるのは歯垢の中なのでむし歯になりやすいのは、歯垢がつきやすく、また歯を磨いても落としにくい部分です。具体的には、奥歯の噛み合わせの溝の部分、菌と歯ぐきとの境目、隣り合う歯と歯の間の面がもっとも危険個所です。

さらに大人の場合治療した歯があると詰め物と歯の隙間に細菌が入りこみ易く、治療した歯が再びむし歯になりやすく、これを 「二次う蝕」 といいます。
細菌は治療したところより奥に進むことが多く、神経に達するむし歯の原因になります。

この記事が書かれた日:2015年06月07日

カテゴリ:プラーク

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