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根面う蝕(こんめんうしょく)

根面う蝕(こんめんうしょく)

前回は唾液の「歯垢(プラーク)」についてご案内しました。
今回は根面う蝕(こんめんうしょく)についてご案内します。

成人のむし歯で多いのが「根面う蝕」です。7878
根面う蝕は、歯周病から歯の周囲に歯周ポケットができ、やがて歯ぐきが下がりはじめ歯根(しこん)が露出し、そこにできるむし歯のことを「根面う蝕」と呼んでいます。

高齢者に多くみられ、本来、歯ぐきのなかに埋まっている歯根の表面は硬いエナメル質ではなく、それより軟らかいセメント質で覆われているので、歯根が露出するとセメント質はむし歯菌の酸に溶かされ象牙質が露出しまいむし歯になってしまいます。またむし歯への進行速度も速いのが特徴です。

「二次う蝕」や「根面う蝕」を除く大多数のむし歯はエナメル質が溶けることから始まり、次に象牙質、さらに歯髄へと進行していきます。

根面う蝕の場合では表層化脱灰(ひょうそうかだっかい)が起こらないため、再石灰化(さいせっかいか)は生じず、自然修復はほぼ期待できません。
根面う蝕は、歯髄腔に近接した位置から脱灰(だっかい)が始まるため、進行するとすぐ歯髄に到達してしまいます。さらに、深部に向かって進行する他に、側方へも進行することから、根面が全周にわたってう蝕に侵され、歯根が折れ歯冠がまるごと喪失してしまう場合もあります。歯の構造

歯肉は年をとるとともに、やせ衰え、歯が長くなったようにみえることがあります。とくに歯周病にかかると歯肉の退縮が進み、健康なときには歯肉に隠れていた歯根が外に現れてしまいます。
歯冠の表面はエナメル質でおおわれていますが、歯根はエナメル質がなくセメント質におおわれています。
セメント質は柔らかく表面がザラザラしていますので、汚れが付着しやすくむし歯になりやすのです。

この記事が書かれた日:2015年06月09日

カテゴリ:むし歯について

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